旅客機の操縦(離陸とオートパイロット)に想うこと
以前の投稿で、「創出営業」と「営業事務」、また「セールステック」などの意味、位置付けに触れましたが、別の視点ではありますが丁度良い事例を見つけたので、もう一度、整理してみたいと思います。
”旅客機の「自動操縦」はなぜ「離陸」はないの?巡航そして着陸も自動化進む現代だが…”
https://trafficnews.jp/post/94530 ←こちらのサイトに以下に転記した記載があります。以下、抜粋、
”・・・ところがそうしたなか、オートパイロットの導入されていない動作のひとつが、離陸です。~省略~「離陸操作は、条件や周囲の環境がほかの操作より複雑です。そのなかで機長は、自らの意思で判断や決定を行い、副操縦士とふたりで離陸手順をこなさなければならないので、地上から離れるまでは、手動で対応します」 ~省略~ 特に離陸は、乗客数、機体の重さ、燃料の搭載量、その日の気象といった条件がフライトごとに異なり、それらすべてを考慮したうえ、機長が自分の意思で離陸を続けるか続けないかを判断しなければならず、そうした理由から現状は「離陸していったん地上を離れるまでは手動で」というのが一般的なのだそうです。”
この記載を読んで、以前の投稿で触れた、「創出営業」と「営業事務」を思い出しました。営業活動と飛行機の操縦を同じに考えてはいけないかもしれませんが、実際に営業活動をしてきた立場からすると、営業活動に置き換えても凄く理解できる内容です。簡単に言えば「創出営業(離陸)は手動でやらなければダメだけど、営業事務(巡航)は自動(オートパイロット)で良いよ」ということです。「新規顧客を創り出す、新規案件を創り出すという行為に自動化を持ち込みすぎると上手くいかないよ」、ということだと思います。企業を成長させる行為は人力メインでやれ、ということですね。つまり、「頭を使い、汗をかき、楽をし過ぎるな」と。ただ、顧客や案件の創出作業に人的リソースを割く分、安定して稼働させる活動は、極力、燃費運転(効率化…自動化)で行うのが理想なのでしょう。・・・こう言う風に理解して、力の入れ方を適材適所で進めて行ければ、企業も良い方向に上向くと思いますが、「最初の離陸から最新のデジタル化をフル活用して…」なんて感じで始めると、「投資したのに効果が出ない…」「意図していない企業や案件が増え、逆効果…」という結果を招くことがあるので、注意が必要だと思います。この辺り、世のマーケティングメッセージは、耳心地が良いモノばかりなので、「頭を使うより、お金を使って楽をしよう」と思うかもしれませんが、「新規顧客・新規案件の創出は”人力”で」を忘れず、「創出し終わってからの巡航にオートパイロット(自動化)を」と、冷静に対処するようにしましょう。
せっかくなので、「離陸操作は、条件や周囲の環境がほかの操作より複雑です」にも触れておきたいと思います。つまり、「創出営業は複雑です」に関してです。旅客機の手順には離陸まで複雑な手順と、その都度の意思決定があると書いてありますが、創出営業も後者の「自らの意思で判断や決定を行い」の件は全く同じです。ただ、前者の複雑な離陸手順に関しては、恐らく、中小製造業の創出営業の具体的手法においては、高度に手順化された仕組みは、ほぼ無いと思います。企業の成長に於ける創出営業の役割は絶大ですが、その中でも新規顧客・新規案件を創出する「手順化された仕組み」は、本来、実装すべき一番重要な仕組みであるはずなのに、中小製造業においては、実装されていないところがほとんどです。これさえ実装できれば、地力のある営業活動が機能し、企業が成長を始めるにも関わらず…です。モノづくりが得意なら尚更、それを活かす為に、営業がボトルネックになってしまっては元も子もありません。
この創出営業の「手順化された仕組み」に関しては、当社がコロナ禍の有事期間限定で提供開始している『変わる!サポートプロジェクト』の『リスタートプログラム』に詳しく載せてあります。『リスタートプログラム』は、有事期間限定で中小製造業の経営者の方に限って無償で提供していますので、危機感をお持ちの経営者の方がいれば、お問い合わせ下さい。
以前、「営業が強い会社が勝っている」で、キーエンスの営業の仕組みに触れましたが、この「創出営業の手順、仕組み」を体系的に纏めている資料に関しては、書籍等でも本当に目にしません。企業を成長させる上で本当に大事な要素なのに…、マーケティングの本とかは一杯あるのに…、仕組み化するのが難しい分野であるのは分かるのですが、それにしても少ないと思います。スマーティエでは、この創出営業の手順、仕組み化と、実際の創出営業活動の実行実践管理を、ITテクノロジーも活用し引き続き取り組んでいくつもりです。