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お知らせ

営業は、まだまだ暗黙知なのか?

前回はキーエンスの営業の仕組みに触れました。今回は一般的な中小製造業さんの営業スタイルを見てみたいと思います。

こちらは残念ながら、まだまだ仕組み化されていません。経験と勘の世界です。全中小製造業の9割は仕組み化されていないでしょう。「営業」と言うと全てが一緒になり分かりづらいので、「創出営業」「営業事務」の2つに分けてお話します。

以前にも出て来ましたが、

「創出営業」…未だ未開の顧客発掘~コンタクト、ヒアリング、提案から受注までの新規顧客発掘開拓(或いは、新しい製品、サービスの創出)

「営業事務」…(見積)~受注から売上・請求処理までのルーティン業務

この「創出営業」に関しては、残念ながら9割の中小製造業は、仕組み化されていません。

「webやホームページからの問い合わせ、幕張メッセやビックサイトでのイベントからの案件化はどうなんだ?」と思う方もいらっしゃると思います。それに関して言えば、「それで企業が持続的に成長していますか?」という問いに対し「成長しています」という回答であれば、仕組み化できているということでOKでしょう。しかし「いいえ、成長していません」という回答あれば「仕組み化できていませんね」となると思います。

ここで前もって、本質的なコトに触れておきます。「営業は『企業の成長』をつかさどる」です。

企業を成長させるならば、営業は重要です。「営業はいらない」なんていう言葉が最近流行り出していますが、それは例外的な技術力が半端なく尖った一部のテック企業に限定する話です(そういう企業には、顧客側からコンタクトすることもあります。例:米国テスラ等)。…しかしそれにも関わらず、中小製造業における営業はあまり重要視されていません。理由は単純で、既存顧客からの継続受注で、”今までは”企業が存続できたから、です。この既存顧客からの継続受注というのは「(見積)~受注から売上・請求」というルーティン業務であり、ここで言う「営業事務」です。しかしながら、ほとんどの企業はこれを「営業」活動と見なしてしまっています。営業パーソンもこれを自分のメインの仕事と思っています。経営者は日々、「売上が厳しい」と思い「もっと売り上げをよう」と言いながらも、創出営業と営業事務の違いを認識できず、また、創出営業のやり方、やらせ方、仕組み方等の対策を打てずに今日を迎えてしまいました。企業は今までは存続できて来ましたが、これからは分かりません。また、今までは存続できて来ましたが、果たしてその間、ずっと企業は成長して来ていたでしょうか?

もし、この問いに「ノー」であるならば、早急に「創出営業」へ舵を切るべきです。ただ、この創出営業という”本来求められる、本当の営業の仕事”は、他の業務のような仕組み化が未だされていません。製造業にある、作業手順書や、標準仕様書のように形式知化できれば良いのですが、それがなかなか難しい。…何故かと言うと、相手がモノではなく、十人十色の”人”だからです。しかしだからと言って「相手にするのが人であるから難しい」で、そのままにしておくと、いつまでも「創出営業力」が弱く、いつまでも企業が成長しません。

創出営業に関しては、キーエンスの営業の仕組みで少し触れた内容同様、色々な手順、段取りがありますが、その中でも特に重要な、創出営業の「核」となるポイントに触れます。それは「顧客の課題は何か?」という事です。実は営業事務では一切、出て来ないキーワードですね。しかし、創出営業を実践する上で一番大事なことは間違いなく、この「顧客の課題は何か?」です。

試しに「あなたの顧客の課題はなに?」と聞かれ、それに答えられるでしょうか?

それにすぐ答えられる企業や経営者、営業パーソンは、恐らく既にビジネスを上手く進められているはずです。一方でこの問いかけに簡単に答えられない人は、間違いなく現在のビジネスに多くの問題を抱えているはずです。企業を成長させる創出営業の真髄は、この「顧客の課題」を中心にビジネスを創り、組立て、回して、顧客へ付加価値(を含んだ製品やサービス)を提供し、それでビジネスを大きく成長させていくのです。

因みに、よく「QCD」…品質、価格、納期のいずれかを言われる方がいます。それはそれで間違いではないのですが、そこを更にもう一歩踏み込んで、「何故、品質(価格、納期)なのか?そこにどんな背景、課題があるのか?、何を解決したいのか?…そもそも、それを生み出す原因の根っこは何なのか?」までを把握できるようになることが理想です。そうすれば、その原因の根っこを顧客に示すと同時に、付加価値の高い解決策を提案することが可能になるからです。

…ということで、今回はこの辺りで終わりにします。最後になりますが、もしご質問があれば、いつでも気軽に「お問い合わせ先」から質問下さい。